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宇治市に移住し、「シェア型書店HONBAKO京都宇治」を起業した山本さん(宇治市)
移住したきっかけを教えてください。
昔、両親と一緒に宇治を観光で訪れたときのことが、強く心に残っています。商店街でふるまわれていたお茶、平等院で偶然出会った月下美人の開花、そしてボランティアガイドの方に丁寧に案内してもらったお茶室――どれも忘れがたい思い出でした。
その時に受けた宇治の良い印象が心に残り続け、家族のライフステージの変化を一つのきっかけとして、大阪から宇治市へ移住しました。生活の利便性や環境含めて、バランスが良く、「ここなら無理せずに暮らせそう」という気持ちでした。

現在の仕事・生活について教えてください。
JR宇治駅から徒歩5分の場所で「シェア型書店HONBAKO京都宇治」を運営しています。経営から広報、接客、事務まで、基本的には一人で切り盛りしています。
店内には102箱の本箱があり、それぞれに「箱主さん(本箱のオーナー)」がいます。箱主さんはお気に入りの本や自作の本を並べて販売することができ、日々、本箱のお手入れに通って来られます。本の販売手数料の一部を地域へ寄付する仕組みも取り入れ、本を通じて地域への還元に繋がる場になっています。
毎月「箱主総会」を開催し、箱主さんたちと丁寧にコミュニケーションを取りながら運営しています。イベントや寄付先についても、みんなで意見を出し合いながら決めています。さらに、学童への本の寄贈やブックコート作業など、子どもたちの読書環境を支える活動にも取り組んでいます。これらはすべて、箱主さんとの日々の会話や箱主総会で生まれたアイディアから始まりました。
現在は、宇治の町の皆さんやお客様にも協力をしていただきながら活動が広がっています。「地域の子供たちにいい本と出会ってほしい」そんな本が好きな大人たちの想いをのせて、箱主さん達の選書を届けようとしています。
本を読む人たちが自然と集まるこの空間が私は好きなので、いつか店の前の通りを”本屋街”のようにできたらいいなぁ、なんて思っています。

地域の魅力について教えてください。
宇治は、穏やかな人が多い町だという印象です。新しいことや新しい人に対して、まず受け止めてくれるようなウェルカムな雰囲気を感じます。何か行動を起こすと応援してくれる人や仕組みもあり、挑戦しやすい土壌が整っています。市民と行政の距離も近く、相談や連携を進めやすい点も魅力の一つです。
また、歴史や文化資源が日常のすぐそばにあるのも宇治ならでは。電車は京阪やJRがあり、幹線道路も整っているため、京都市内や大阪方面へのアクセスも良好で、暮らしやすさを実感しています。
住宅街の中には茶畑が広がっていたり、昔ながらのお茶屋さんが残ってるので「お茶のまち」らしさを感じます。また、山城地域で採れる新鮮な野菜が身近に手に入るのもうれしいポイントですね。

普段の活動に際して、行政等の支援で役立ったことを教えてください。
宇治市主催の食育や認知症、源氏物語などのさまざまな講座が開講されており、移住当初、たくさん講座に参加し宇治のことを学びました。その中で知ったのが宇治市産業振興課の「うじらぼ」です。これは起業関連の講座で、実際に事業を進めていくうえで実践面の学びにつながりました。また、市の創業支援補助金に関する情報提供が受けられたことに加えて、講座後の交流会では、講師の方々や市民、地域で活動されている方とつながることができ、人脈の面でも大きな収穫がありました。
また、「うじらぼラジオ」にも参加し、Instagramのライブ配信という新しい形の情報発信に挑戦する機会をいただきました。地域の活動を知ってもらう場になると同時に、自身の取り組みを言葉で伝える貴重な経験にもなっています。
さらに京都府「女性の船」への参加をきっかけに、宇治市長表敬訪問の機会をいただいたほか、宇治や山城地域で長年活動されている女性リーダーやボランティアの方々ともつながりが生まれました。店舗づくりや地域活動を進めていくうえで、人脈構築ができ、とても良い経験でした。

移住前後で感じたギャップはありますか。
移住前は、宇治市に知り合いがおらず、不安のほうが大きかったです。でも実際に住んで動き始めてみると、行政の講座を通して、想像以上に人とのつながりができました。宇治市は活動相談に親身に乗って頂けて、心強さを感じています。
また、ボランティア活動されている方がとても多く、地域に関わろうとする人の層の厚さにも驚きました。
一方、暮らしの面で意外なことは坂道が多く、想像以上に車社会だということです。観光地のイメージも強いですが、実際に暮らしてみると、ランチの終了時間や夜の閉店時間は比較的早めです。規則正しい生活リズムの町なのかも笑。
これから移住を考えている方へアドバイスをお願いします。

まず自分から一歩動いてみること、そして自分の思いや志を言葉にして発信してみることを大切にしてほしいと感じています。行政の講座や交流の場にも積極的に参加してみると、思いがけない人とのつながりが広がっていきます。地域のことを十分に知らない段階でも、行動していく中で支援や協力が自然と得られる場面は多いはずです。
また、移住を考えるときは、オープンマインドでいることも大事なポイントだと思います。思い通りにいかないことも含めてその土地を知ろうとする姿勢があると、人との関係や日々の暮らしは少しずつ豊かに広がっていきます。
情報収集にはSNSなども上手に活用しつつ、実際に足を運んで地域の空気に触れること。このオンラインとリアルの両方を行き来することが、新しい地域との良い関係づくりを後押ししてくれるはずです。宇治は、何かに挑戦したい人にとって動きやすい土壌が整っているまちだと感じています。
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