やましろで暮らす-トップページ > 木津川市に移住し、雅楽に取り組む梅春さん(木津川市)【インタビュー記事】

更新日:2026年8月10日

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木津川市に移住し、雅楽に取り組む梅春さん(木津川市)

移住したきっかけを教えてください。

山口県出身で、大学進学を機に関西に来ました。卒業後は三重県の高校で歴史教員として3年ほど勤務していました。

もともと歴史や古いものが好きで、大学時代に出会った雅楽が大きな転機になりました。雅楽は、日本に現存するもっとも古い音楽であり「世界最古のオーケストラ」とも言われる古典音楽です。大学卒業後は憧れていた雅楽団体(大阪楽所)に入りたくて、指導いただける先生のところへ三重県から通っていましたが、正式に入会するには通える範囲内に引っ越す必要がありました。そこで転職活動した結果、大阪にも出やすい京都市内の会社に就職し、しばらくは京都市内に住んでいました。十数年前、家族の事情で生活環境を大きく変える出来事があり、慌ただしい日々を過ごしました。その状況が落ち着いた頃、以前から憧れていた古民家暮らしへの思いが再び強まりました。物件を探す中で現在の家に出会い、一目惚れしました。「ここなら憧れていた生活もできるし、笛も練習できる」——その直感が背中を押し、古民家を購入。完全移住に踏み切りました。

現在の仕事・生活について教えてください。

現在は会社員をしており、働き方はテレワーク勤務と出社を使い分けています。

プライベートでは雅楽団体(大阪楽所)に所属し、笛と舞の稽古に励んでいます。さらに祇園のお囃子グループにも参加し、演奏だけでなく新人指導にも関わっています。2024年末には自宅で「みかのはら雅楽教室」を立ち上げ、祭祀舞と笛の指導もスタートしました。現在は小学生から社会人まで数名の生徒が通っており、地域の神社祭礼などで奉納や出演の機会もいただいています。

最近は、これまでの学校現場での経験を生かしながら、小学校の放課後学習教室等に関わっています。今後も教育面・文化面で地域に関わっていきたいと思っています。

自宅は、築100年以上の古民家をリノベーションした住まいです。手をかけながら整えてきた家での生活はとても心地よく、夫と愛犬とともに思い描いていた暮らしができていると感じています。

日々の楽しみの一つが、愛犬との散歩です。近所の方と自然に言葉を交わす機会も増え、気がつけば地域とのつながりも少しずつ広がってきました。

地域の魅力について教えてください。

家の前に茶畑が広がる景観はとても美しく、帰ってくると自然と気持ちが切り替わります。田舎ならではの落ち着いた環境ですが、大阪の天王寺までは約1時間とアクセスも良好で「都市に近い田舎」という感覚です。

生活面では、車があれば大きな不便はほとんどありません。大きな病院も車で15〜20分圏内にあり、安心感があります。近所の方々も温かく、散歩中に野菜をいただくこともあるなど、移住者でも受け入れてもらいやすい雰囲気を感じています。

また、固定資産税や土地単価が都会に比べて比較的安いため、広い住環境を確保しやすいのも魅力の一つです。自然に囲まれて子育てをしたい世代にとっても、暮らしやすい地域だと感じています。

移住前後で感じたギャップはありますか。

移住前は、これほど早く地域の方々と打ち解けられるとは思っていませんでした。山口県出身ということもあり、周囲の自然あふれる景色にはどこか懐かしさを感じています。大きな不安や、悪い意味でのギャップは特になく、むしろ良い意味での驚きのほうが大きかったです。

移住2年目に組長を担当し、集金などで各御家庭を訪問する機会がありました。そのおかげで地域の方々に自然と顔や名前を覚えていただき、私自身も皆さんのお名前を覚えるきっかけとなり、地域に溶け込む大きな助けになったと感じています。

また、「お茶といえば宇治」というイメージが強かったため、木津川市加茂町にこれほど広大な茶畑が広がっているとは正直想像していませんでした。収穫時期の風景や、防霜ファンの音など、この土地ならではの季節の移ろいを日常の中で実感しています。せっかくこの地域に住んでいるのだからと、昨年は日本茶検定を受検し、1級を取得しました。今後は日本茶インストラクター資格にも挑戦したいと考えています。

一方で、築100年以上の古民家はリノベーションしても隙間が多く、補修や草刈りなどの維持管理に想像以上の手間がかかることも、実際に住んでみて初めて分かりました。

これから移住を考えている方へアドバイスをお願いします。

自然環境を重視し、できるだけ広い住まいでゆったり暮らしたい方には、この地域の暮らしはよく合うと感じます。ただし、環境の良さと都市的な利便性を両立するのは簡単ではありません。どちらを優先したいのか、ご自身のライフスタイルに照らして事前に整理しておくことをおすすめします。

電車での通勤面では、大阪方面へのアクセスは良好ですが、京都市内へ通う場合は乗り換えや待ち時間が長く、負担に感じることもあります。また、日常生活の自由度を考えると、車を運転できるかどうかは大きなポイントだと思います。

古い家に住む場合は、ある程度の維持管理が必要になることも想定しておくと安心です。隙間対策や虫対策は住み始めてからしばらく試行錯誤が続きました。庭の草刈りも想像以上に手がかかるため、防草シートを敷く、敷いた後も定期的な管理をするなど早めの対策を検討しておくと負担を抑えやすいと思います。

地域になじむきっかけづくりとしては、日々のちょっとした行動が想像以上に効果的です。わが家では愛犬の散歩を続けるうちに近所の方と自然に顔見知りになり、会話が生まれるようになりました。定期的に外を歩く習慣を持つだけでも、地域との距離は少しずつ縮まっていくはずです。

   

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