ふるさとトピックス!福知山、舞鶴、綾部
更新日:2021年3月2日
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働き方の自由度や価値観が広がるなか、二拠点生活を望む人が増えています。とはいっても、そのバリエーションはさまざま。今回、お話を聞いた片山美紀(かたやま・みき)さんは、都会の神戸市に住みながら、月1回のペースで自然豊かな綾部市の宿泊施設や友人宅に滞在しています。地方側に住居を構えないからこそ、「気軽に田舎暮らしを満喫できています」と話す片山さん。実際の過ごし方や地方に通う意味をお聞きしました。
片山さんの住まいは神戸市兵庫区。大阪市内の大手広告会社に勤めており、都会での生活が中心です。綾部市に通い始めたのは数年前のこと。現在は月1回・1泊2日のペースで滞在しており、都会と田舎での暮らしを楽しんでいます。今回、片山さんのお話を聞くため、上八田(かみやた)町にある農家民宿『ぽかぽかのうえん』を訪ねました。
『ぽかぽかのうえん』は片山さんのお気に入りスポット。東京から移住した代表・櫛田寒平(くしだ・かんぺい)さんが営む農家民宿で、築100年以上の古民家をリノベーションしてオープンしました。
ぽかぽかのうえんの代表とスタッフさんとパシャリ。温かく迎え入れてくれました。
櫛田さんの畑で農作業をしてみたり、薪割りから体験できる五右衛門風呂で身体の芯まで温まってみたり。豊かな自然に心身を委ねられるのはもちろん、片山さんは「人との出会い」に魅力を感じています。
「ここに滞在していると、いろんな人たちに出会えるんです。ものづくりをされている方、最近移住された方、櫛田さんがお友達に事前に声をかけてくれていることもありますが、ふらりと訪ねてくる方もいて。その場の流れで一緒に夕飯を囲んでみたり。あったかいひと時を過ごせるんです」
のんびりとした田舎のイメージがある綾部市。もちろん、時間の流れはゆるやかですが、住んでいる人たちは活動的。UIターン移住者や若手事業者、芸術家など、おもしろい人たちがたくさん住んでいるのが特徴的です。
片山さんも綾部市の木工作家さんと出会い、ほっこりとした作風に一目惚れ。オーダーメイドの椅子を注文したのだそう。『ぽかぽかのうえん』で広がった出会いの輪が、片山さんにとっての“帰りたい居場所”を形作ったのかもしれません。
きっかけは、親しくしていた上司が夫婦で綾部市に移住したこと。新しい住まいに招かれて、片山さんは初めて綾部市を訪れます。その後、『ぽかぽかのうえん』がオープンしたこともあり、定期的に通うように。そこで再確認したのは「田舎が好きなんだ」という想いでした。片山さんの出身地は長崎県の五島列島。自分のルーツを綾部市の田舎風景のなかに感じます。
私も綾部市に住んでみたい。一時期は本格的に移住を検討しますが、ある時、会社の社内報の特集を読んで考え方が変わります。
「平日は東京の本社で働いて、週末は家族と一緒に山梨県や長野県で過ごす。二拠点生活を実践している人のインタビューを読んで、あ、これでもいいんだって。都会かな、田舎かなって悩んでいたんですけど、両方を選んでもいいと気づいたんです」
二拠点生活のパターンは人それぞれ。そのなかで、片山さんのように、地方に住居を構えず、地域に開いた宿泊施設に滞在するスタイルは、二拠点生活を考える人にとって、始めやすい選択かもしれないですね。
二拠点生活を始めてから約3年。綾部市に通う意味について、片山さんは「オン・オフの気持ちを切り替えるため」と話します。
「自分が抱えている仕事について、ずーっと考えちゃうんですよ、休日も終業後も。好きなことなのでさほど負担はないのですが、どこかで休まないといけない。でも、私、場所を変えないと思考を変えるのが難しくて(笑)。電車に乗って、綾部に来て、やっとオンからオフに切り替わるんです」
しんしんと降り続ける雪。
窓の外を眺めながら片山さんは続けます。
「都会で生活しているとき、私の頭の中に綾部の文字はあまりなくて。仕事モードがオンになっているんでしょうね。でも、久々に綾部に降り立って、地面を踏みしめたときの土の香りや暖炉で燃える薪の香り、そんな“綾部の香り”を感じたとき、ああ、帰りたかったんだなって自覚するんです」
「私、この窓から見える景色が大好きなんです。いつもなら空が燃えるような夕焼けが広がって、今日は雪が静かに降り積もっている。ただ、ぼんやりとここからの景色を眺めるのが好き。たまに、ふらっと訪れた人との偶然の出会いも楽しい。特別なことではなく、日常を求めているんだと思います」
ぽかぽかのうえん
住所:〒623-0112京都府綾部市上八田町ヒシロ8
電話番号:0773-21-4188
WEBサイト:https://pokapokanouen.jimdo.com/
ライター:山本英貴 |
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