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更新日:2023年6月28日

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社員の声に耳を傾け、仕事と子育ての両立を支援(ニンバリ株式会社)

子育て両立と一言で言うのは簡単ですが、各家庭によって両立の妨げになっている要因はさまざまです。そのような中で今回紹介するニンバリ株式会社は、社員の声を大事にしながら、子育て世代が働きやすい環境づくりに努めています。

 

ニンバリ株式会社は、1948年に京都府大江町(現在は福知山市に編入)で鉄工所としてスタートしました。事業内容は金属加工だけでなく、機械製作、設計と様々な企業からのニーズにこつこつと応える形で発展し、今に至ります。

 

今回は、杉山俊輔社長と子育て中の社員の方に、事業内容や企業理念、子育て支援の取り組みについて、お話を伺いました。

 

機械と上手に共存することで豊かな暮らしを創出

ニンバリ株式会社外観

現在のニンバリ株式会社は「FAで、人手不足を乗り越える」をミッションに、生産工程の省力化を図るFA装置システムのODMに特化した会社です。

 

FAとは、ファクトリーオートメーションの略語であり、工場の自動化のことを指します。
人口減少・少子高齢化が進む現代はどこも人手不足です。こういった社会背景に対し、生産工程を自動化・ロボット化し、昨今の社会的ニーズに応えるのがFA装置システムです。

 

またODMとはオリジナル・デザイン・マニュファクチュアリングの略語であり、他社ブランドの製品を設計製作することを指します。

 

「例えばiPhoneはアップルの製品ですが、実際はアップルが自社工場で製品を作っているわけではなく、別のODMメーカーに外注しているという構造なんです。これと同じで、我々のニンバリという名前が前面に世の中へ出て行くことはありませんが、ODMメーカーとして陰ながら色々なFA装置を作っているんですよ」

 

このようにわかりやすく解説してくださったのは、ニンバリ株式会社の杉山俊輔社長です。東京都出身の杉山社長は、2008年に慶應義塾大学大学院を卒業後、ニンバリ株式会社へIターン就職し、その4年後の2012年には社長就任します。

 

ニンバリ株式会社社長写真

「正直、福知山に来た当初、かなりカルチャーショックを受けたんです。田舎の良い面もありますが、改善すべき面が多々あるなと感じました。例えば、女性社員が「〇〇ちゃん」と呼ばれて、お茶くみやコピー取りばかりさせられていたこと。都市部よりも地方の方が男女平等の度合いは低いと感じました」

そうした現状を目の当たりにした杉山社長は、社長就任後に状況を一つひとつ改善し、性別だけでなく、多様な人が活躍できる会社を目指して奮闘しています。

大切にしているのは「人」を軸にした3つの価値観

ニンバリ株式会社では、大切にしている3つの価値観があります。1つ目は人を大切にし、人を育て、活かすことです。2つ目は、ものづくりの技術のレベルアップによって高付加価値を実現し、顧客の問題解決のお手伝いをすること。そして3つ目は、社会に認知され信頼される会社を目指すことです。

ニンバリ株式会社設計風景

特に1つ目に挙げた、人を大切にし、人を育て、活かすことは社員に向けた決意とも取れます。「世の中にはさまざまな人がいます。考え方、得意不得意や個性、障害の有無なども含めて多様です」という杉山社長は、自らの思いをこう語ります。

「例えば当社では知的障害を持った方も働いていますが、繰り返し行う作業は非常に集中力を発揮して活躍してくれています。個々の多様性を尊重すれば、地方経済はまだまだ伸びしろがあると捉え、子育て世代の方々も働きやすい制度を整えました」

ここからは、実際に2人の子育て真っ最中だという従業員の大久保宏美さんにもお話を伺います。

「私は今、6歳と2歳の子育て中で、9時から16時の時短勤務をしています。おかげで朝に家事ができたり、帰宅後も子どもとの時間が取れたりして、本当に助かっています」

大久保さんの所属課には、時短勤務者がもう1名いますが、個々の負荷を見て業務を分散するなど、温かい配慮がなされています。

ニンバリ株式会社大久保さん写真

「残業が発生しないように、上司や同僚の理解やサポートがあるからこそ時短で働けていると思います」と大久保さんはいきいきとした笑顔で話します。

ニンバリ株式会社は、社員74名中、約3割が子育て期の社員という状況です。また杉山社長自身も4児の父であるため、働くことと子育てについては自分ごととして真剣に向き合っています。

「制度を整えるだけでなく、時短勤務が無理なくできるようにジョブローテーションを行い、人を雇って配置する。こうすることで「いつ何が起きてもいいようにする」のも管理職の務めだと思っています」

またニンバリ株式会社では、女性も本人が望めば管理職になれる、給料も増える、というように、目に見える形で社員が復帰したくなる制度・風土づくりを積み重ねています。

高い出生率を誇る福知山で地方経済をリード

少子高齢化が進む日本社会では、2021年の出生率は前年の1.33からさらにダウンし、1.3と年々減少傾向です。そのような中で、福知山市の出生率は2.02と、全国的に見ても高い水準を誇ります。

「私自身、結婚当初に妻と「幸せにたくさん子どもを産みたいね」と話していたんです。だから社員も自然にそう思ってほしい。会社経営者としてはこのレベルを維持し、むしろ増やす施策を考えていかなきゃと思っています」

この杉山社長の思いもあって、ニンバリ株式会社は地域経済の牽引を期待される企業として、経済産業省から「地域未来牽引企業」に選定され、名実ともに中丹地域を盛り上げる存在となっています。

豊かな食と人情味あふれる福知山

福知山は「肉の福知山」と表現されるほど、丹波牛をはじめとした食肉の産地でもあり、日本海からは海の幸、山間部からは山の幸と豊富な食材が集まる場所です。そんな自然の恵みの数々を、福知山の地元の料理屋や商店では、東京の半分程度の価格で提供してくれます。

「おいしいものをたくさん食べられて、いい人たちに囲まれて、幸せですよ」と杉山社長は話します。都会では出世や収入など、常に比較されることも多い中、福知山ではそれだけが幸せのものさしではないと気づかされます。

最後に、子育て中の大久保さんに今後の思いをお聞きしました。

「子育てをしていると、急な熱などの対応でどうしても手がかかりますが、パートではなく正社員として働き続けられて本当に感謝しています。ちなみに弊社の時短勤務は3歳までですが、小学校入学前まで利用できたら、なおうれしいです。今後の若い世代の社員も気兼ねなく利用できるようにして、また会社に戻ってきてほしいですね」

大久保さんの熱のこもった話に、「社員の声にきちんと耳を傾けないといけませんね」と笑顔で応える杉山社長の姿を見て、福知山にあるニンバリ株式会社は、人情味あふれ、街の明るい未来を支える企業だと再認識できました。

ニンバリ株式会社二人写真

 

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