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更新日:2022年6月9日

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「好き」や「得意」を活かしたい女性たちをつなぐ輪(FLOOP)

子育てや家事に忙しい女性たちが、好きなことや得意なことで一歩を踏みだしたいと思ったとき、前で手を引くのでも、後ろから背中を押すのでもなく、隣でそっと手を添えて一緒に踏み出そうとしてくれる。

絶妙な距離感を保ちながら、現在は福知山にとどまらず、北近畿で奮闘する女性たちの心強い存在になりつつある、FLOOPとはどんなグループなのか。メンバーのみなさんにお話を伺いました。

 

悩みを打ち明け合えて実現した、託児所付きワークショップ

グループが発足したのは2016年(平成28年)。「当時は資格や特技を持っていても、女性が地方で育児をしながら好きなことを仕事にするのは途方もなく難しかった」、と振り返る代表の大嶋明香(さやか)さん。


代表の大嶋明香さん(左)、WAKANAさん(右)

今のようにおうち教室や、女性の起業という言葉もまだ一般的ではなく、大嶋さん自身も料理やお菓子づくりの資格を持ちながらも集客の方法がわからずに悩んでいました。

そんな中、子育てサークルで知り合ったWAKANAさんと、同じ様な悩みをもつ人同士で勉強会をしてみようという話に。

三重県でインストラクターとして活躍していた経験をもつWAKANAさんは、結婚を機に退職し福知山へ。子育てをしながらも、赤ちゃん連れで運動ができる場所がほしいと、お母さん向けのフィットネスサロンを立ち上げたところでした。

 

カフェから始まった数人の勉強会での主なテーマは「集客」。

それならばと、みんなの特技を持ち寄ったワークショップイベントを企画したのが、その後、彼女たちのメイン事業となる「習い事フェスタ」の始まりでした。

対象は、普段家庭や子どものために自分の楽しみを後回しにしているお母さんたち。自分のために使える貴重な時間だからこそ、子どものことを気にせずイベントを楽しめたらと、託児ルームを設けました。結果的にイベントは大成功をおさめ、自分のために時間やお金を使えたことが、いかに満足感を高め、自分や参加した人たちを笑顔にするのかを実感するきっかけに。


赤井貴恵さん(左)、守谷杏奈さん(右)

当時、育児休暇中だった赤井貴恵さんは「習い事フェスタ」の準備段階からメンバーに加わりました。実家の稼業でもある日本茶のファンを増やしたいと、取得していた日本茶インストラクターとして参加。このときの達成感と充実感、そしてなにより楽しかった経験が背中を押し、職場には復帰せずインストラクターとして進む道を選びます。

 

守谷杏奈さんは、結婚を機に大阪から全く縁のなかった福知山に移ったものの、大人の女性のた

めの習い事が絶対的に少ない環境に戸惑い、一日の長い時間をフィットネスジムで過ごすように。その後大阪に通いながら取得したポーセラーツの経験を、ようやくこのイベントで活かすことができました。

 

福知山から北近畿へ広がるネットワーク

動き始めると、みんなが抱える悩みやニーズに対し、具体的な解決策も生まれてきます。

現在、FLOOPのホームページは北近畿を中心に「教えたい人」と「学びたい人」をつなぐ検索・交流サイトの役目も果たしています。発信するのは運営メンバー4人を含む31名(2022年2月時点)の登録者。イベントに参加した講師だけでなく、最近はアクセサリーや雑貨などの作家や地域情報の発信をメインにしているインフルエンサーなど、多様なメンバーに。

登録メンバーとは必ず事前に面談をし、お互いの理解を深めることで、メンバーと登録者が一緒に作るというコンセプトを共有しています。長く仕事を続けていくためにも、横の繋がりやネットワークは大切。だからこそ「信頼できる情報を発信し続ける仕組みをつくっておくことが大事」、と大嶋さんは言います。

 

また、メンバーたちがFLOOP発足当初に抱いていたような、起業時の悩みを打ち明けられる横の繋がりを作ろうとはじまったのが、起業を目指す女性のための異業種交流会「カラフル交流会」です。年に2回開催される交流会での出会いをきっかけに、悩みや成功体験を共有しあい、さらなる繋がりやアイデア、ビジネスが生まれることも。昨年は福知山市と連携し、「ぷち起業女子校」も成功させ、さらなる展開も期待されています。

 

とは言え、FLOOP自体は、任意の団体。あくまでも個々の活動がメインであり、グループのメンバーは「女性起業家同士の横の繋がり」というスタンスです。何かあったときに相談し解決策を導き合える間柄、という距離感が丁度良いのだそう。

 

家族との関係、そしてこれからについて

最初の習い事フェスタから5年。彼女たち自身の活動や家族との関係もそれぞれに進化しているようです。

大嶋さんは、自身の仕事が充実することで、旦那さんとより良い距離感が保てるようになり、ビジネスの相談などもするようになったと言います。

WAKANAは、昨年の4月に念願だった自身のスタジオを自宅にオープン。自宅倉庫の活用を提案してくれたのは旦那さんでした。

赤井さんは、仕事を辞めて今の活動に専念させてくれた家族の理解にいつも感謝している、と言います。急須を使った日本茶教室はこれまで通り継続しつつ、家の一室で茶道教室を始めました。

守谷さんは、自宅を新築する際に教室を兼ねた趣味の部屋を作りました。大阪時代を知っている旦那さんだからこそ、今自分が楽しく活動していることを喜んでくれているはず、と話してくれました。

 

今後の目標は?との問いに、「敢えてこれまで目標を掲げずにやってきたのが良かったのかも」と、赤井さん。確かに、今やりたいと思うことや周囲との関係性の中には、FLOOPのロゴが示すように、無限の可能性が広がっていると言えそうです。

月一回開催しているメンバーミーティングでは、毎回たくさんのアイデアが出るし、ボツになるものもたくさんあるそう。それでも、違ったスキルを持つそれぞれが補い合えれば、前向きになるきっかけや、活躍できる場を作り合えることを経験から知っている彼女たちは、明るく頼もしい。

 

コロナが落ち着いたら、まずは大きなイベントがしたい。今一番やりたいことを尋ねると皆さん声を揃えて答えてくれました。

廃校など広い場所を使って、ワークショップだけでなく、販売や飲食などすべてを集めた大人の文化祭がしたい。さらに子育て世代だけでなく、広い世代の女性たちに向けたイベントも企画していきたい。想いはどんどん広がります。

それらが実現する日が今からとても楽しみです。

 

(外部リンク)

 

一般社団法人京都府北部地域連携都市圏振興社(海の京都DMO)ホームページより転載

https://www.uminokyoto.jp/feature/detail.php?spid=167

 

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